マツダ・RX-8 - Wikipedia
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RX-8(アールエックス-エイト)は、マツダが製造・販売する自動車である。現在唯一ロータリーエンジンを搭載し、生産されている4ドアスポーツカーである。略称は「8(エイト)」。開発コードは「J60」。
形式こそ従来と変わらない13Bであるが、ポートやハウジングを含めほとんどが新設計のロータリーエンジンを搭載し、新規車種として2003年に発売が開始された。プラットフォームは、マツダ・FEプラットフォームが用いられた。名称やボディ形状から、FD3S型RX-7の後継プラットフォームに思えるが、RX-7の後継車ではなく、設計はFDから一新されている。月間1000台の販売を計画した。
RX-7の後部座席は「ワンマイルシート」と呼ばれる補助的なもので、乗員の長距離移動には不向きであったが、RX-8 では「ファミリースポーツ」という新たな分野を掲げ、大人4人が乗れる形での登場となった。
4人乗りで、観音開きの4枚のドアを備える。4ドアはフォード側の絶対条件であったが4ドアにすると車体が大きくなり重量も増しロータリースポーツの旨みである「軽快さ」がスポイルされてしまう。そこでマツダが開発したのが前後観音開きになる「フリースタイルドア」である。アウターパネルがアルミ製の後部ドアは室内にドアノブが存在し、前部が開くことによって初めて開閉が可能となり、前部が後部ドアをロックする役割も兼ね備えている。したがって、後席の乗員の降車時は前席の乗員もしくは外からフロント側のドアを開けてもらう必要がある(前席の乗員がいない場合には、前席を倒した後で身を乗り出してフロント側ドアを開けることで単独降車は可能であり、助手席側後部座席には、前シートを倒すレバーも付いて いる)。ただし4ドア形式はマツダ独自であるが、片側のみの3ドア形式であればサターン・Sシリーズのクーペモデルに前例がある。
また、他社に先駆けピラーと呼ばれるボディーの上下を結ぶ骨組みをドアに組み込んだビルトインピラーによりピラーレス構造を実現し、開口部拡大による剛性低下を防いでいる。ブレーキキャリパーはフロント/リアとも片押し1ピストンであるが、フロントのディスクローター径はグレードにより大径となる。MT仕様のプロペラシャフトはカーボンファイバー強化樹脂とスチールを組み合わせた軽量ワンピース型を採用(AT仕様はスチール製)。パワーステアリングも従来の油圧制御からモーター制御の電動となった。
セーフティ面においても国土交通省による衝突安全性能総合評価において運転席、助手席とも最高ランクの六つ星を獲得[1]し、ブレーキ性能試験においても100km/hからの停止距離が38.6m(湿潤時は44.4m)とこちらは2011年現在、試験を行った全車両中歴代トップの記録である。一方、歩行者頭部保護性能試験では頭部保護機能を持ったボンネットを採用しているものの、低いフロント形状の特性ゆえ、レベル1に留まる。
ネットワーク上の時間が異なっている軽量化のため、全グレードにわたってスペアタイヤは搭載されず、パンク修理キットで代用している(テンパータイヤは販売店装着オプション)。
運動性能向上のためエンジンやトランスミッションを車体中心へ寄せてマウントしたこと、触媒が運転者の左ヒザ裏付近にあることなどから、室内床面およびセンターコンソールが高温になる傾向があり、のちに断熱材追加などの対策がなされている。
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ドアを全て開けた状態
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警視庁のパトカー仕様
[編集] エンジン
前述の通り搭載エンジンは『ロータリーエンジン』である。排気ガス規制の強化や燃費向上のためターボチャージャーは搭載せず自然吸気となっているが、レブリミットは毎分9000回転(マツダ787BのR26Bエンジンと同数値)という高回転型ユニットとなっている。設計の変更によりこの「RENESIS RE」は従来のロータリーエンジンと比較して燃費も向上しており、より大きなトルクを発生するものとなっている。イギリスの「エンジン・テクノロジー・インターナショナル」が主催する「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2003」を受賞した。過去最高の審査員50人中44人の得票を得て受賞したことから、この「RENESIS RE」の技術力の高さが見てとれる。「RENESIS RE」は、ターボチャージャーを廃したことで、伸びやかでストレスなくレブリミットまで回転する、よりロータリーエンジンの旨みを引き出したエンジンとなった。このエンジンの基となったものを搭載した車が次期RX-7と呼ばれたコンセプトカー「RX-01」(1995年東京モーターショー展示車)で、吸気と同じく排気もサイドポート(これ以前はペリフェラルポート)にすることによりオーバーラップ0が実現できたため、数値通りの圧縮比が出せるようになったので低回転域のトルクも向上した。 同時に燃費向上とクリーンな排ガスを実現した。しかし、サイド排気にした事により「熱だまり」ができてしまい、13B-REWよりも冷却が厳しくなってしまった。プラグ周りやインターミディエイトハウジングの放熱性に難があり、ローターハウジ� �グはマイナーチェンジ前だけでも予告なし改良がされ3種類ある。またセルモーターやオイルパン、ブローバイ関連にも難があり、途中より改良品が導入されている。
マツダのスポーツカーに継承されてきたフロントミッドシップをさらに推し進めた「アドバンスドフロントミッドシップ」レイアウトを採用。車両の重量配分はRX-7の最終型となったFD3S型と同様に「前後50対50」の比率を確保し、エンジンの搭載位置をより低くしたためFD3S型よりもヨー慣性モーメントが5%低減され、高い旋回性能を誇っている。
あなたが目指すことができるいくつかのロボットのスクリーンネームは何ですか?なお、ロータリーエンジンはローターハウジング内で吸気、圧縮、爆発、排気の行程が異なる場所で行われるため耐ノッキング性能に優れ水素燃料等のガス燃料を燃焼するのに安全性が高く、一番効率が良いとされ、水素ロータリーエンジン「HYDROGEN RE」を搭載した水素型RX-8「ハイドロジェンRE」が開発されている。スイッチ一つでガソリンと水素を切り替えて使用できるバイフューエルとなっている。2006年現在広島県・山口県・岩谷産業・出光興産に計8台を貸与して公道試験走行が行われている。2009年からはノルウェーのHyNorプロジェクトに参加、30台を納入する[2]。
エンジンの最高出力は、カタログデータで標準モデル(5MT)が210ps、標準モデル(6AT)およびTYPE-E(6AT)は215ps、TYPE-S(6MT)250ps、(以上マイナーチェンジ前の数値である)。ハイドロジェンREの水素使用時は110psの出力に留まる。マイナーチェンジ前の210psモデルは吸気ポートが4つであり、215ps,250psのモデルは6PI(吸気ポートが6つ)であるが、マイナーチェンジ後に全て6PIで統一された。また後期型はハイパワー版が250psから235psに修正されている。この理由はレギュラーガソリンへの適合のためとされているが、より実測出力値に近い数値に合わせたとも言われている。ロータリーエンジン搭載車としては初めて電子スロットルを採用し、各種走行安定装置(電子制御)も導入されたモデルである。
なお、メーカーによる慣らし運転推奨車種(取扱説明書に記載)となっている。
なお、NAエンジンではあるが社外品としてのターボキットも多数存在する。
[編集] マイナーチェンジ
2008年3月10日、マイナーチェンジされた。
上位5つのスパム- カタログ記載の最高出力が250psから235ps(ハイパワーモデル)に低下したが、これは先述の変更によるものである[3][4]。
- ノックセンサーの数が増やされ(1個→2個)、燃料マップの変更により、レギュラーガソリンへの適応が拡大した。
- エンジン内部へのメタリングポンプによるオイル供給もインジェクターが2本から3本に増設され細かく制御されるようになった。またメタリングポンプ自体も機械式から電磁式に変更された。
- デジタル表示スピードメーター一体型のタコメーターには「可変レッドゾーンシステム」が採用され、水温が上昇するまでエンジン回転が低めに設定されるようになった。
- マイナーチェンジ前の日本国内販売RX-8はシングルオイルクーラーのみであった(輸出仕様はツインオイルクーラーがあった)が、マイナーチェンジによりタイプRSなどの上級グレードにツインオイルクーラーが設定された。
- オイルフィルターの位置がバルクヘッド近くのエンジン上面から、エンジン下面に移動された。
- オイルパンの形状やデフケースの冷却フィンの追加。
- オイルパン部分のアンダーカバーの形状変更。
- サスペンションジオメトリーの変更。具体的にはリアサスペンションアームの取り付け位置が変更され、バネレートも高められた。併せてフロントはタワーバーの採用でねじり剛性をアップすると同時にスプリング・レートを高めている。
- 電動パワステもソフトウェアのパラメータを変更し、以前より優れた操舵感を手に入れた。ソフトウェアは欧州/日米で異なり、欧州のものはセンターフィールを重視、日米のものはクイック感を重視という味付けの違いがある。
- タワーバーでフロント回り、助手席インパネメンバー接合強化でステアリングマウント部の剛性感を向上。さらにドア開口部の接合強化によって車体の剛性をアップ。
- すべてのエンジンが6ポート(6PI)となり、4ポートのエンジンは消滅した。
- 触媒とマフラーが変更された。
- 6速ミッションがアイシン製から自社製となり耐久性が向上した。カーボン製シンクロの採用。
- 前後バンパーの形状変更、左右のフロントフェンダーの形状変更、ライトの形状変更。
- 新グレードRSには、専用フロントバンパーとウレタン充填フロントクロスメンバー、専用19インチタイヤ、ビルシュタイン社製ダンパー、レカロ社製シートなどが標準装備された。
エンジンが高出力化しがたい構造なので、プロレースにおいてはエンジンスワップを行った車両が使用されることが多い。
- スーパー耐久にて、一部プライベーターチームによりレースに投入されたが、短期間の参加に留まった。
- マツダが、アマチュア向きに「RX-8パーティレース」というワンメイクレースを開催していた。改造範囲は限定され、専用のロールバーなども発売されていた。レースの運営は、マツダではなく専業業者が行ったが、現在では終了している。
- レースではないが、D1グランプリにて、FD3Sのエンジンに換装されたマシンが出走している。
- 2008年3月と2010年1月アメリカにおいて デイトナ24時間レースで 3ローターNAを搭載したRX-8がクラス優勝している。
- MAZDA-USAでは、20Bペリポートエンジンを搭載したRX-8が、レース用としてコンプリート販売されている。
- JAF全日本ジムカーナ選手権で川北忠選手のRX-8 typeS(平成15年式)が2010年度SA1クラスにてシリーズチャンピオンを獲得している。
- 1999年 - 東京モーターショーでコンセプトカー「RX-EVOLV(エボルブ)」を出品。
- 2001年1月 - デトロイト・ショーで「RX-8」と名付けられた車が最初に発表される。外観はRX-EVOLVの流れを引き継いでいた。
- 2001年10月-第35回東京モーターショーでの発表。デトロイト・ショーの時のスタイルが若干変更された。
- 2003年1月 - 北米国際自動車ショーで市販モデル発表。
- 2003年2月 - 宇品第1工場で生産開始。
- 2003年4月 - 販売開始。
- 2004年10月 - 水素ロータリー車の公道走行開始。
- 2006年8月 - 一部改良。6速ATの設定、車体色の追加などが行われた。
- 2007年8月8日 - 限定車「マツダRX-8ロータリーエンジン40周年記念車」を発売。
- 2008年1月 - 東京オートサロンにマツダスピードコンセプトを出品。
- 2008年3月 - マイナーチェンジ。新グレード「Type RS」の追加。
- 2009年5月 - 一部改良。レインセンサーワイパー(フロント)、オートライトシステム、撥水機能、アドバンスドキーレスエントリー&スタートシステムを標準装備化し、オーディオレス仕様に変更。ボディカラーは「アルミニウムメタリック」と「メトロポリタングレーマイカ」を追加し、体系を整理。また、ベースグレードは5MTを廃止し6ATのみとした上で「Type G」に名称変更した。
- 2010年5月 - 欧州での排ガス規制ユーロ5に適合しなくなるため、欧州での販売終了を決定。なお、日本とアメリカでの販売は継続される。
- 2011年11月24日 - 特別仕様車『スピリットR』発売[5][6][7]。マツダでは「RX-8最後の特別仕様車」とアナウンス。
- 2012年6月 - 生産終了予定[8][9]。オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、マレーシア、シンガポール向けも終了する[9]。
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