書き込み型BD・DVDのファイルフォーマット(UDF)まとめ : Web Memo.Ver.2
フリーでありながら非常に多機能で高性能なImgBurnというライティングソフトがある。CDからBlu-rayまで対応していてこれ一本で全部OKという感じなのだけど、自由度が高いゆえに困ったことがひとつ。というのも書き込み時にディスクのファイルフォーマットが自由に選べるものの、「(どのディスクで)ファイルフォーマットを選ぶのが適切なのか」がわからなかったのだ。設定はあくまで任意になっていて、ディスクごとに自動で適切なフォーマットに変えてくれるわけではない。
しょうがないので自分で調べて、以下にまとめてみた。
DVD向けのファイルフォーマット
UDF 1.02 または UDF 1.02 + ISO 9660 (UDFブリッジ)
- DVD-ROM (DVD-Video)
- DVD-R
- DVD-RW
- DVD+R
- DVD+RW
DVDメディアで一般的に使われるファイルフォーマット。Windowsなら98や2000の頃から対応していて、現行のPCなら読めない事態はまずありえない。特に理由がない限り、(特にライトワンスの)DVDメディアならとりあえずこれを選んでおけば安心。(ただしDVD-RAM除く。)
UDF Bridge(UDFブリッジ)と呼ばれるUDF 1.02 + ISO 9660は、UDFに対応していないOSでも読み込めるように、CD-ROMのファイルフォーマットであるISO 9660との二重構造にして互換性を高めたもの。UDF 1.02が読み込めない場合はISO 9660で読み込む。このフォーマットになっているディスクも多い。(ライティングソフトでもこれがデフォルトになっていることがある。)
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ただWindows 98ですらUDF 1.02が読み込める関係上、このメリットを享受できる場面は恐らく今ではかなり少ない。またISO 9660側のファイルシステム制限の問題で、ひとつのファイルの最大サイズが2GBから4GBに制限されるデメリットがある。(使用するライティングソフトの実装による。ファイルシステム上の制限は4GB。)ライティングソフトのデフォルトがUDFブリッジなら理由なく変える意味もあまりないと思うが、制限が気になるなら単なるUDF 1.02に変えても特に問題はないだろう。
ちなみにUDFブリッジ自体はUDF 1.02に限らず後述のより進んだバージョン(2.0など)と組み合わせることが可能なようだが、使われることはあまりないようだ。(恐らく「互換性を上げる」という本来の意味がなくなるため。)
UDF 1.5
- DVD-RAM
- パケットライト使用時のCD-RW、DVD-RW、DVD+Rなど
基本的にDVD-RAMで使われるファイルフォーマット。DVD-RAMをビデオ用途以外で使うなら、とりあえずこれでフォーマットしておけばよい。その他の書き込み型CDやDVDをあたかもDVD-RAM(やHDD・USBメモリなどの)のように使えるパケットライトでも使われることがあるが、そこまで一般的とは言い難い。
Windows環境では98は対応していないが、2000とXPでは読み込みが可能となっている。ただし書き込みには標準で対応していないため、別途DVD-RAM(UDF)ドライバなどが必要。Windows標準の機能で書き込みが可能になったのはVistaから。
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UDF 2.0 (2.01)
- DVD-VR(ビデオ用のVRフォーマット時)のDVD-RAM、DVD-RW、DVD-Rなど
ビデオ録画用のDVD-VR規格に使われているファイルフォーマット。主に家庭用(DVD・BD)レコーダーでの記録時に使われる形式なので、PCでDVD-VR形式のディスクを作成・編集しない人は(意図的に)使う機会があまりないはず。ただ「レコーダーで録画した番組をDVDにダビングしてPCで見る」という場合は結構あるはずなので、気がつかないうちに読み込みはしているということはあるかもしれない。
UDF 2.01はDVD-ARと呼ばれるオーディオ記録ディスク(DVD-VRのDVD-Audio版)に規格として採用はされているようだが、2011年現在でも実際にDVD-ARを作成できる製品は存在しないようだ。その他別の規格のディスクなどに使われているのかも、調べた限りは不明。ほとんど使われていない形式なのかもしれない。
Windowsで読み込み可能なのはXPから。Vistaからは標準機能で書き込みも可能になっている。
Blu-ray向けのファイルフォーマット
UDF 2.5
- BD-ROM
- BD-RE
- AVCRECフォーマットのDVD-R、DVD-RWなど
BD-ROMとBD-REで使われるフォーマット。AVCRECと呼ばれるDVDにハイビジョン映像を記録する規格にも使われている。かつてBlu-rayと規格争いをしたHD-DVDも使用していた。Blu-rayディスクは基本的にこのバージョン以降のUDFで記録されているため、最低でもこの2.5に対応していないと読み込むことができない。
Windows環境ではVistaから読み書き可能。XPでは読み込むこともできないので、別途ドライバをインストールする必要がある。(バルクでないリテールのBDドライブを買えば、通常は付属するメディアに再生ソフトやライティングソフト、あるいはドライバ単体という形で入っている。)
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UDF 2.6
BD-Rで採用されているファイルフォーマット。これを書いた2011年10月現在で今のところUDFの最新バージョンのため、これが読み書きできれば今までの全てのUDFを扱うことができる環境のはず。内容的にはライトワンスのBD-Rで、擬似的な書き換え機能をサポートしたもののようだ。
Windowsでの対応状況はVistaで読み込みのみ可能。7からは書き込みもサポート。前バージョンの2.5にも標準で対応していないXPは、当然非対応になっている。別途ドライバかソフトが必要。
UDFファイルフォーマットと互換性
ここまでUDFファイルフォーマットと各種DVD・BDメディアの関係について書いてきたものの、「PC環境でのデータの読み書き」という話に限ってしまえば、実はそこまで気にする必要はなかったりする。なぜならフォーマットが自由に選べるのを見てもわかるとおり、ハードウェア(DVD・BDドライブ)で物理的に読み込めて、OS標準やドライバで対応さえしていれば、基本的に多くの組み合わせで少なくとも読み取りは可能だからだ。例えば以下のような組み合わせでも、単なるデータファイルのやり取りなら問題なく使用することができる。
- DVD-R + UDF 2.5
- BD-R + UDF 2.0
- BD-RE + UDF 1.02
「これに何の意味があるのか?」といえば、例えばDVD-R + UDF 2.5ならPCでAVCREC形式のディスクが作れると言うことになるし、BD-R + UDF 1.02ならUDF 2.5ドライバが入っていないXP環境などでもBDドライブを接続しただけでディスクがそのまま読めるということになる。(例としては外付けUSBのBDドライブをXPで使おうとした場合など。)もちろん全ての環境で動作が保証されるわけではないし、逆にDVD-RAM + UDF 1.02など使うとトラブルが起こるであろう組み合わせもあるものの、覚えておくと役に立つ機会もあるのではないかと思う。
PC以外の機器でディスクを使用するならフォーマットに注意
PC(Windows)内で完結した環境ならともかく、AV機器(家庭用のDVDレコーダーやBDプレイヤー)でディスクを読み込ませる機会があるなら、ファイルフォーマットとの組み合わせに気をつけた方がいいかもしれない。「PCで書き込んだディスクが読めない!」などのトラブルを見かけることが結構あるからだ。
恐らくAV機器側で(例えばDVD-VRならUDF 2.0のような)規格に合致したディスクとフォーマットの組み合わせが決めうちされていて、それ以外の(規格外的な)ディスクを読み取ることを考慮してないことがあるからだろう。BD-REのような書き換え可能ディスクならともかく、単なるファイルフォーマットの選択ミスでライトワンスのディスクを無駄にしてしまうのはもったいない。
別に「このディスクはWindows PCでしか読まない」というものならどんなフォーマットを選んでも問題になることはあまりないだろうが、「他のハードで読ませる」あるいは「他人にあげる」というものなら、基本的にディスクや利用法にマッチしたファイルフォーマットを選んで置いた方がトラブルを防げる可能性が高まるのではなかろうか。
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